労務関係

labor

2022.02.28   労務関係

育児・介護休業法の改正解説①(令和4年4月1日~施行分)

育児介護休業法とは?

育児や介護を行う事が必要となる労働者が、円滑に仕事と両立できるように配慮し、働き続ける事ができるように支援をするための法律です。

令和4年に育児に関しての大きな改正が行われます。
改正は令和4年度は4月と10月に行われます。今回は4月の改正に関して記します。

<雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化>

内容は大きく2つに分かれます。

●育児休業を取得しやすい雇用環境の整備

事業主は下記のいずれかの措置を講じなければならないといった規定です。

①育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
②育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備等(相談窓口設置)
➂自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
④自社の労働者への育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

つまり、労働者が円滑に育休を取得できるような会社づくりをしてくださいねといった規定です。
例えば、労働者が育休を取りづらい会社の雰囲気に耐え切れず継続して勤務できない結果、
退職を余儀なくされるといったような状況を避けましょうねといった内容です。

●妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置

本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、事業主は育児休業制度等に関する以下の事項の周知と休業の取得以降の確認を個別で行わなければならない規定です。

(周知事項)
①育児休業・産後パパ育休に関する制度
②育児休業・産後パパ育休の申出先
➂育児休業給付に関すること
④労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い

 

(周知・意向確認の方法)
①面談 ②書面交付 ➂FAX ④電子メール等 のいずれか

 

つまり、労働者に正しい育休の知識を教えてあげてくださいねといった規定です。
育休はどういった制度なのか?会社の誰に伝えてどうやって始めればいいのか?そして、育休に関してもらえるお金は?などなど、労働者は分からない事だらけです。
分からない事をいいことに、うやむやにせず真摯に対応しないとダメですよ!といった内容です。

<有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和>

現行の規定では、例えば有期雇用労働者が育休を取得したい場合下記の要件を満たす必要があります。

①引き続き雇用された期間が1年以上
②1歳6か月までの間に契約が満了する事が明らかでない

この規定の①が撤廃され、②のみとなります。

ただし、引き続き雇用された期間が1年未満の労働者は労使協定の締結により除外は可能ですので、今まで通り①の規定を満たさなければならないとする事ができます。
働いている期間が短い有期雇用労働者(有期契約労働者・パート・アルバイトなど)であっても1歳6か月までの間に契約満了の予定がなければ育休を取得する事ができるといった内容になります。
これに伴い、就業規則を育児介護休業法に則って定めていた場合、法改正に合わせて就業規則の変更も行わなければなりません。今一度、就業規則の確認をする必要があります。

以上が令和4年4月からの改正点です。育児介護休業は段階的に改正を行っているため、令和4年10月・そして令和5年4月も改正が控えています。
令和4年10月の改正点・令和5年4月の改正点についても解説していきたいと思っています。
御覧いただきましてありがとうございました。

ページトップへ矢印