労働保険

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2022.08.17   労働保険

出産・育休で必要な労働保険・社会保険の手続きを整理!③~育休終了後編~

間が空いてしまいましたが、②の続きを投稿します。(②の投稿はこちら)

今回は育休が終了した後の手続きに関してです。

育休明けは何をしたらよいのでしょうか?

 

【育休明けの社内届出】

労働保険・社会保険ではありませんが、社内用に「育児休業復職届」を作成して提出をしてもらうことで、労働者との齟齬が発生することを防げます。

内容としては、いつ復職し時短勤務は希望するのかなど社内で必要だと思う記載事項を載せます。

更に、労働者と復職後の働き方に関してのヒアリングをすることで、より円滑に復職を促すことができます。

 

【育児休業明け月額変更(健康保険・厚生年金保険)】

育児休業から職場復帰した際、時短勤務になる方が多いと思います。時短勤務に伴って給与も調整される場合、3歳未満の子を養育している場合には「健康保険・厚生年金保険育児休業終了時月額変更届」の提出を行います。

職場復帰した日の翌日が属する月から3か月間に支払われた給与を平均し、月額変更が行われます。ただし、賃金支払い日数が17日未満の月は計算の対象外となります。(賃金支払い日数の算定方法は各企業の定めに従います)

それでは、具体例で解説してみます

<例>月末締め翌月25日払いの会社において、4月20日に職場復帰をした場合

4月支払➡3月末締め給与のため、復帰前となり0円

5月支払➡4月末締め給与のため、賃金支払い日数は10日以下になるため計算対象外

6月支払➡5月末締め給与。賃金支払い日数が17日以上あれば対象になる

 

つまり、この例の場合は6月支払給与のみで月額変更を行うことが可能となります。

通常、1等級のみの変更であれば月額変更は行われませんが、育児休業明けの場合は行われます。つまり、今まで22万円の標準報酬月額であって20万円になった場合でも、変更が行われるのです。

 

【養育期間標準報酬月額特例(厚生年金保険)】

養育中の子供が3歳未満であれば、給与が時短勤務等により下がったとしても、将来受給できる年金が減少しないようにするための特例措置です。

例えば、産前休業に入る前までは標準報酬月額が30万円だったにも関わらず、育児休業終了後は時短勤務となり標準報酬月額が26万円となってしまった場合があったとします。

給与から控除される厚生年金保険料は標準報酬月額26万円の金額ですが、実際に老後、厚生年金を受給する際の標準報酬月額は30万円で計算されるということになります。

この手続き自体は義務ではありませんが、労働者から申し出があった場合に行わなければなりません。

ですが、労働者から要望がある前に会社側から説明して手続きを行うことで、会社としての信頼度も上がりますので積極的に行うことをお勧めいたします。

なお、申し出が遅れていたとしても申し出があった日の属する月の前月以前2年前までは遡って手続きを行うことが可能です。

また、対象の子の養育が終了した又は死亡した場合には、終了届を提出する必要があります。

(3歳に達した場合の手続きは不要)

 

 

以上が、育休明けに行う手続きです。育休明けは、社会保険の手続きを主に行います。

出産・育休関連の手続きは多くありますので、疑問点等ございましたら是非ご相談下さい。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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