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今回のテーマは「通勤災害」です。
業務災害と通勤災害
労働災害は大きく業務災害と通勤災害の2種類あります。業務災害はその名の通り「業務中の災害」です。
例えば、建設のお仕事中に高いところから落下し、骨折をしたとします。
それは業務に伴う怪我のため、業務災害となります。
そして、通勤災害は、就業先に向かう途中で負った傷病の場合に適用されます。
通勤災害と認められるには
通勤災害と認められるのは「合理的な往復の経路及び方法」で業務としてではなく、移動している最中のものとなります。
この合理的な往復の経路及び方法とは、一般に労働者が使用すると認められる往復の経路及び方法となるので複数あっても良いです。
例えば、東京の池袋駅と渋谷駅までの経路で考えます。
経路としては山手線で行けますし埼京線でも湘南新宿ラインでも、はたまた副都心線でも行けます。
でもどれも時間的にも余り変わらないし、出口の近さで路線を変えている人もいるかもしれません。
そのため、この4通りの行き方全てが合理的な往復の経路とみなされます。
では合理的な方法とはなにか。それは、電車・バス・自転車・徒歩問わず全ての方法が合理的な方法にあたります。
合理的経路からの逸脱
経路は合理的であっても途中でカフェに入ってお茶をしてから経路戻ったとしても、それは経路を逸脱、つまり抜けてしまったとみなされるので、その後の移動は合理的な経路とは認められません。
でも、途中で抜けて再び経路に戻っても合理的な経路として認められる場合もあります。
それば「日常生活上、必要な行為」であった場合です。
例えば、美容室・スーパー・病院・選挙に寄ったなど生活必需な行為であれば経路を抜けている間は認められないけれど、戻ってくればそれはまた通勤と認められるのです。
このケース、通勤災害?
通勤災害になるのか問われた一例をご紹介します。
会社にはバスで通勤すると申請していたが、自転車で通勤しているときに事故にあい、ケガを負ってしまった。
経路はバスで行く場合と同じであった。 これは一体通勤災害になるのか? |
さて、これは通勤災害になるのでしょうか?
答えは、【通勤災害になる!】
まず経路が同じなので合理的と認められます。そして、自転車通勤も通勤における合理的な方法です。
そのため、労災としては通勤災害と認められるでしょう。
ただし、会社側からバスで通勤をする申告していたのに自転車で通勤していたという事を会社規律違反とされるといった事は避けられないでしょうが。
家から勤務先の通勤災害以外にも…
自宅から就業先へ行く通勤災害以外にも、他のパターンの通勤災害が存在しています。
例えば新宿でアルバイトを終えてから渋谷でまた別のアルバイト場所へ向かう移動中のように、勤務地からべつの勤務地への移動も通勤とみなされるのです。
この間に通勤災害が発生した場合には、労災を申請するのは後半の事業所。つまり、例でいえば渋谷側の勤務先が申請を行います。
また、例えば仙台支店に単身赴任中の方で週末に東京の家族の元へ向かい、休み明けにそのまままた直接仙台支店へ向かうといった場合も通勤災害と認められます。
今回のテーマは通勤災害でした。
あくまでも、労災は労働基準監督署長に決定権があります。その都度審査されるので100%申請が通るということは言えないことはご了承ください。
あくまで原則として規定されているものになります。申請自体は、労働者本人が行っても事業主が行っても構いません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。