お役立ちコラム

『出向によるトラブル』を回避するには…   ( 2012.02.15 )

【出向の意義と命令の有効性】

 一般的に出向とは、労働者が元の企業に籍を残したまま、他の企業においてその指揮命令のもとで働くことを云います。出向した労働者は出向元および出向先の両方に対して二重の雇用契約を結ぶことになるので、派遣先との雇用契約が生じない労働者派遣とは異なります。

 出向は使用者の命令によって行う人事異動の一つですが、企業内での配置転換などと違って、他企業への移動になるので、「労働者の地位を使用者が第三者に譲る場合には労働者の承諾を得なくてはならない」と定める民法第六ニ五条第一項に基づいて、基本的には、出向させる労働者の承諾が必要だとされています。

 しかし、この「承諾」に関しては、発令の都度個別(当人)の同意(承諾)ではなく、就業規則などに「使用者の出向命令と労働者の出向義務」の根拠規定があれば事前の包括的な同意でも足りるとする学説判例もあり、争いとなった場合には、個別のケースごとにその有効性が判断されています。

 

【労働契約法での出向の定め】

 一方、労働契約法第十四条では、出向命令の効力に関して、「使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。」と定めています。

 このように、労働契約法においては、使用者が出向を命ずることができる根拠規定があるという前提に立って、個別の承諾が必要かどうかではなく、使用者による「権利の濫用」に対して制約を設けています

 権利の濫用かどうかの判断に当たっては、業務上の必要性や人選の合理性だけでなく、出向先での賃金などの労働条件、出向元と出向先との関係、出向期間、赴任の事情などに照らして、労働者に相当程度の不利益な状況が生じるかどうかが、重要なポイントであるとされています。

 

「権利の濫用」とされないために

このようなことから、就業規則などに会社が出向を命じることがある旨が記載されていたとしても、実際に出向命令をするときには、できれば同意を取り付けておき、出向命令が権利の濫用とされないように慎重に進めることが必要となります。

そのためには、

①  事前に出向先との協議を行い双方で出向契約を交わすこと

②  家庭など個人的な事情も勘案した上で対象労働者を選定すること

③  出向に関する規定としては、出向命令と出向義務だけではなく、出向期間中の労働条件に配慮した基本的事項をできるだけ詳細に定め、明らかにしていくこと

などが求められるでしょう。

 出向に関する規定の整備、就業規則の変更などのご相談は、いつでも、お気軽に岡野社会保険労務士事務所までご連絡下さい。

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