お役立ちコラム

自己都合による退職の申出時期   ( 2012.01.19 )

 労働者の意思により会社を退職しようとする場合には、労働基準法上特に定めはありませんので、民法の定めによるところとなります。 

【期間の定めのない労働契約の場合】

 民法627条で、「各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。」

 とあります。各当事者とあるので、民法では使用者からの解約(つまり解雇)も2週間前でよいことになりますが、これは特別法である労働基準法で30日前に予告することとなっていますので、労働基準法が優先します。

 したがって、労働者からの退職の申し出のみ、2週間で効力を生ずると規定されます。ただし、月給者については、例えば月末に退職を希望する場合、月の前半以前に申し出をする必要があります。(賃金の支払い計算期間の前半・後半で考えます)

 つまり労働者側からの退職の申出は、法的には2週間から遅くとも1ヶ月半くらい経過すると、会社側がこれを受け入れなかったとしても、退職が有効に成立することになります。

【期間の定めのある労働契約(有期労働契約)の場合】

 民法第628条では、「雇用の期間を定めた場合であって、やむを得ない事情があるときは、直ちに契約を解除することができる」と規定しています。また、労使双方とも解約により損害が生じれば、それを賠償する責任を負うとしています。

 有期労働契約の場合、契約期間途中で労働者から退職を申し出ることができるのは、民法上は、「やむを得ない事情」がある場合に限られます。しかし、労働基準法(137条)では当分の間、契約期間の初日から1年を経過すれば、労働者の方からの退職の申し出は、「やむを得ない事情」がなくても、いつでもすることができ、退職することができるとされています。ただし、一定の事業が完了するまでの期間を契約期間とする場合や、契約期間の上限が5年まで認められている、一定の専門知識・技術・経験を持つ労働者や高齢者の場合は、対象となりません。

 したがって、有期労働契約社員やパートさんが、契約から1年以内に「やむを得ない事由」もなく自己都合退職を申し出た場合、拒否することは法律上可能となります。しかし実際問題としては、有期労働契約社員やパートさんが勝手に辞めるのを引き止めるのは難しく、賠償請求もほとんど認められないのが実情です。

  いずれの場合でも会杜が合意解約に応じるのは自由ですから、自己都合退職の手続を明確にし、業務に支障が出ないような仕組みをあらかじめ作っておくことをお勧めします。

無断欠勤する社員の解雇

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