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給与と損害賠償の相殺は可能か?   ( 2013.12.12 )

従業員の不手際により、損害が発生した場合、損害賠償として賃金から控除するのは、法的に問題がないかということは、経営者にとっては気になるところだと思います。


結論としては、従業員の同意のない、一方的な控除(相殺)は労働基準法違反となると考えられます。 

 

まず、従業員に対して損害賠償請求すること自体には違法性はありません。

労働基準法第16条にて損害賠償『額』を予定することが禁止されています。

例えば、遅刻を一度するごとに、遅刻した時間分以外に1,000円マイナス、というような「罰金」制度を設けることを禁止した内容です。

ただし、実際に損害を与えられた場合に、その実損額を超えない範囲で賠償を請求することはできます。

また、同じく労働基準法第24条にて、「賃金はその全額を支払わなければならない」という旨の定めがあり、「賃金全額払いの原則」と呼ばれます。

これは、所得税や社会保険料など法律上控除することが認められているもの以外は、原則として控除してはいけないというルールです。

そして、最高裁ではこの条文について、「生活の基盤である賃金の全額が確実に労働者の手に渡らせるため、相殺禁止の趣旨を含んでいる」としました。(関西精機事件最高裁昭和31.11.2)他

この裁判では、会社が一方的に損害賠償請求権と賃金を相殺することは、許されないとして判決が出されています。

ただし、従業員から同意を得て相殺する場合、その同意が従業員の自由な意思に基づいていると認められる合理的かつ客観的な理由があるなら、その同意に基づいた相殺は上記の「賃金全額払いの原則」に反せず、認められるとした判決があります。(日新製鋼事件最高裁平成2.11.16)

 

従業員の賃金から損害賠償を相殺するにあたっては、その損害額、お互いの過失の割合、請求する額等を十分に説明・協議し、同意を得てからおこなってください。

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