お役立ちコラム

「退職時の有休消化」は拒めないのか?   ( 2013.01.04 )

質問

有休を全部使ってやめます、と言ったきり出社してこない社員がいます。

引き継もできず困ります。  なにかよい方法はありませんか?』 

 

回答 

 使用者は労働者の有休の申請に対し「事業の正常な運営を妨げる場合」に有休を取得する時季を変更させる事が出来ます。これはあくまでも別の日に有休を取ってもらうという事で、有休自体を取らせないということになれば労働基準法第39条違反となります。

 退職日以降に有給休暇の日にちを変更することは出来ませんので、退職までの全労働日に対して有休を請求してきた場合、引き継ぎなどができず「事業の正常な運営を妨げる場合」であっても有休をとらせないことはできません。

 仮に就業規則などで、「退職が決まった後に残りの年次有給休暇を一斉に取得することを禁ず」と規定しても請求のとおり有休を取らせなければなりません。

 かといって引き継ぎが全くなされない場合は会社の業務に差し障りが生じますので、引き継ぎに必要な日数分退職を遅らせてもらうよう、労働者とよく話し合いを持つ事が必要です。

 ここにも注意

≪引き継ぎをしないことによる退職金の不支給または減額≫

ところで、就業規則に「引き継ぎをせず、退職した者は退職金を不の支給とする。」という定めがあれば引き継ぎが全くなされないことにより、退職金を払わない事ができるでしょうか?

 事例

 退職金は賃金の後払い的なものでもあるので労働者に「永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な背信行為」があった場合に不支給が裁判で認められています。(高蔵工業事件 名古屋地判 昭59.6.8)

 引き継ぎをしない事だけをもって重大な背信行為とは言えず、就業規則の決めがあっても退職金の不支給は無効となります。

 

 また就業規則に「退職する場合は所定の業務の引き継ぎをしなければならない。所定の業務の引き継ぎを行わなかった場合は○○%減額する」と決める事は可能であり、引き継ぎをしないなどの無責任な退職の仕方を抑制する効果はありますが、これは有給休暇で全部休んだことによる減額ではなく、あくまでも引き継ぎを行わなかったことによる減額ですからやはり退職日までに有給休暇を取ったことにより退職金の減額は出来ません。

 

ポイント

退職日まで全部の日にちの有給休暇の申請があり、引き継ぎができないような場合でもこれを拒めません。となれば、日頃から有給休暇を取りやすい環境つくりが大切です。

ただし、有給休暇を買い上げなければならない法律はありません。

求められても、断ることができます。

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