お役立ちコラム

配転命令の法的根拠と限界   ( 2012.09.13 )

【配転の意義と根拠】

 配転(配置転換)とは、同一法人組織内で、労働者の職種、職務内容、勤務場所について、長期に亘って変更する人事異動のことをいいます。

 このような配転命令の法的根拠は、労働契約上の労働指揮権(労働者を使用する権利で、労働契約の締結によって使用者が手に入れる権利)に、求められます。

 したがって、労働契約上の労働指揮権の範囲内で行われる労働の種類(職種、業務内容)、態様(仕事のやり方)、及び場所(勤務場所)の変更である場合には、使用者は業務命令として一方的に配転を命ずることができ、労働者はこれに従わなければなりません。

 労働指揮権の範囲外の配転の場合には、使用者は労働契約上の配転命令権の根拠がありませんので、改めて労働者の同意を得なければ配転をすることはできません。

 もっとも今日では、労働指揮権の範囲はかなり広く解されており、例えば製造から事務へとか、事務から営業へとかの異職種配転も、労働指揮権の範囲内であって、正当な配転と考えられています。

 使用者の労働指揮権を外れる配転に当たるのは、例えば、保育士、看護師のように資格を要するような業務から、資格と係わりのない他の業務に配転するような場合などです。このような配転の場合には本人の同意が必要と考えられています。

 

【配転命令の限界】

 配転命令権が認められても、その濫用は許されません(労働契約法3条5項)。配転のための「業務上の必要性」がないとか、あっても「不当な動機・目的」による場合とか、あるいは「労働者が通常甘受すべき程度を著しく超える不利益」を負わせる場合等は、配転命令権の濫用として当該配転命令は無効とされます(東亜ペイント事件判昭和61.7.14)。

 例として、寝たきりの老父母、祖父母を抱えた共働きの夫婦の夫に対する遠隔地への転勤命令などが挙げられます。

 使用者としては、子の育児、又は老父母・祖父母等の看護・介護を行っている労働者の配転・転勤には、十分配慮して行うことが必要になると考えられます(育児介護休業法26条)。

 なお国籍、信条、社会的身分を理由とする不利益配転は、労働基準法第3条違反として無効です。女性であることを理由にした差別的配転も男女雇用機会均等法第6条違反として無効です。労働者の組合活動等を嫌って行われる配転も、不当労働行為(労組法7条1号)として許されません。

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