お役立ちコラム

使用者の安全配慮義務   ( 2012.08.13 )

【安全配慮義務の意義と内容】

 使用者は、労働安全衛生法によって、安全管理体制を整えるとともに同法に定める安全衛生基準を順守することが求められています。また、使用者は労働者に対して労働契約上の付随的義務として、労働者の生命及び身体を危険から保護するよう配慮すべき義務としての安全配慮義務を負っています(労働契約法5条)。

 この安全配慮義務は、確立した判例法理を法文化したもので、労働契約を締結すれば契約に付随して当然に発生する使用者の義務です。→労働契約に特段の根拠となる規定がなくても、使用者は安全配慮義務を負います。

 また労働契約上の義務だけに限定されるだけではなく、請負契約を結んで業務の一部外注化(アウトソーシング)をしている場合にも、使用者は請負契約に基づいて就労している者に対して安全配慮義務を負っています。例えば、建設現場の下請け作業員の業務中の事故に対して元請会社は安全配慮義務違反が問われることがあります。

 安全配慮義務違反の内容は、労働者の生命・身体を危険から保護するために、物的設備を整備すること、人的組織を適切に配備・運営すること、安全衛生教育の遂行や業務を適切に指示すること、さらには安全衛生法令の実施義務などを含むものと考えられています。

 「労働者の生命・身体を危険から保護する」には、労働者の心身の健康も含まれます。特に、労働者が過重労働によって脳・心臓疾患等を発症したり、仕事上のストレスなどによってうつ病になったりしないよう、使用者は、業務管理(労働時間の管理等)や職場環境の整備に配慮する必要があります。

 また、最近は職場で労働者に受動喫煙をさせないようにすること、あるいは喫煙者を設けて分煙をすることも安全配慮義務の内容になることを裁判所が認めるようになってきていますので(江戸川区(受動喫煙損害賠償)事件東京地裁平16.7.12)、この点でも使用者は安全配慮義務には関心を持っておく必要があります。

【安全配慮義務違反の責任】

 不幸にして業務災害が発生した場合には、労働者は労働基準監督署で「業務災害」の認定をうければ労災保険から保険給付がなされます。

 しかし、それに止まらず、その業務災害が安全配慮義務違反でもあるときは、使用者は労働者側から労働契約上の安全配慮義務違反として債務不履行による損害賠償(民法415条)を請求されることがありますので注意が必要です。

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