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年俸制にまつわる誤解   ( 2012.08.10 )

 賃金の決め方に関して、管理職・専門職を中心に年俸制が導入されるケースが増えています。年俸制は、個々の労働者の仕事の成果や実績について、その労働者と使用者が個別的に話し合って、年単位で決定するものです。

誤解その1

   年俸制を採用すると、支払われる賃金は年俸額のみで時間外割増賃金は支払われないといったイメージがあるようですが、年俸制であっても、労働基準法の労働時間に関する規制は適用されます。したがって、時間外労働や深夜労働、休日労働には、36協定の締結と割増賃金の支払いは必要です。

   割増賃金を年俸額に含めて支払うこと自体は可能です。しかし、この場合も、

   ①通常の賃金部分と割増賃金部分が明確に区別されていて

   ②割増賃金部分が労働基準法37条によって計算された額を上回っていなければなりません。

誤解その2

   年俸額のうちの賞与部分についてですが、賞与は使用者の評価によって額が決定する賃金ですから、あらかじめ支給額が確定しているものは賞与ではなく、割増賃金の算定基礎額から除外される「1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」(労働基準法施行規則21条5項)ではありません。したがって、あらかじめ支給額が決まっている「賞与部分」については、それも含めた年俸額を12で除して得た金額を当該月の所定労働時間数で除して「通常の労働時間の賃金」を算出し、これを1.25倍して割増賃金を計算することになります(平12.3.8基収78号)。

誤解その3

   年俸制の導入は就業規則によって制度化されますが、これは本来的に個人的な賃金決定方法ですので、実際の運用に当たっては、適用を受ける労働者個人の同意を受けるべきです。年俸額について合意が得られないときは、最終的には使用者が決めることができますが、その際、極端に年俸額を引き下げるなどした場合には、権利の濫用としてその年俸額の決定が、違法、無効となる場合もあります。

法定労働時間の原則

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