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過労死、過労自殺の労災認定   ( 2012.05.28 )

 労働者(またはその遺族)が労災保険の給付を受けるためには、当該負傷、疾病、障害または死亡が、業務上の事由により発生した災害(業務災害)であることの認定を、労働基準監督署長から受けなければなりません。

 そして、業務災害かどうかの判断は、①労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にある状態(業務遂行性)にあることを前提に、②直接的には、業務と傷病等による損害との間に一定の因果関係がある(業務起因性)かどうかによって判断されます。この業務起因性を、最近は、「当該業務に内在する危険が現実化したもの」と表現されています。

 労災認定について問題となっている「過労死」と「過労自殺」の業務災害の認定はどのようになされているのか見ておきましょう。

[過労死の労災認定]

 「過労死」とは、脳血管や心臓等にもともとあった基礎疾患が、業務の過重負荷が誘因となって増悪し、その結果生ずる脳出血、くも膜下出血、心筋梗塞、狭心症などの脳血管疾患・心臓疾患の急性発症をいいます。これによって、死亡または労働不能状態になることも少なくありません。

 かつては、行政当局は過労死の労災認定について、発症直前の精神的・肉体的な強度の緊張感をもたらす「異常な出来事」があった場合にのみ業務起因性を認め、長期の残業による「疲労の蓄積」には業務起因性を認めませんでした。

 しかし最近では発症前のおおむね6か月間にわたる長期の残業による「疲労に蓄積」にも過労死の業務起因性を認めています。

 ①発症前1か月ないし6か月にわたって、1か月あたりおおむね45時間を超えて時間外労働をした場合、業務と発症との関係性が徐々に強まり、

 ②発症前1か月間におおむね100時間、又は発症前2か月ないし6か月にわたって、1か月おおむね80時間を超える時間外労働をした場合は、業務起因性が強いと云う基準を設けています。

 その結果、最近「過労死」の労災申請と許容件数が増加しています。

[過労自殺の労災申請]

 精神障害者(うつ病)による自殺(いわゆる過労自殺)の業務起因性についても、行政当局は、精神障害に関する一般的認定基準として、「対象疾患を発症していること」、「対象疾病の発症前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること」、「業務以外の心理的負荷及び個体的要因により対象疾病を発症したことは認められないこと」を掲げ、これに基づいて、さらに具体的な基準をあげています(平成23.12.26労基発1226第1号)。

 そして、精神障害の発病(うつ病)が業務災害ならば、その者の自殺も「原則として業務起因性がある」としています。

 これにより最近では、うつ病による「過労自殺」の労災申請も増えています。

労災保険の加入手続を怠るとどうなりますか?

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