お役立ちコラム

解雇をめぐるトラブルの回避法   ( 2012.01.17 )

 労使間でとかくトラブルになりがちなのが、解雇をめぐる問題です。使用者からの一方的な解雇は、労働者にとって生活の基盤を失うことになりますから、使用者としては慎重に対応する必要があります。

【解雇権濫用法理]

 裁判実務上、解雇は「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、解雇権を濫用したものとして無効になる」という判例法理が確立しています。(日本食塩製造事件 最高裁昭和50年4月25日第ニ小法廷判決)。

 その後、平成19年の労働契約法の制定により、それがそのまま労働契約法16条に法文化されています。

 したがって、仕事をするうえでの能力に問題がある社員を解雇しようとする場合などで、社会通念上相当と認められるかどうかは、業務全体にどれほどの支障があるのか、その人の適性のある他の業務へ転換できないか、教育によって改善の見込みがないかなどを踏まえて、判断する必要があります。

【トラブル回避のためにあらかじめしておくこと]

 解雇が正当だと認められるためには、

 ①あらかじめ就業規則などで、解雇ができる場合を明確に定めておく必要があります。

 ②労働者と労働契約を結ぶときに、どんな場合に解雇されるか、きちんと明示しておかなければなりません。

【解雇が制限される場合]

 次のような場合は、解雇が制限されます。

 ①労働者が業務上ケガや病気をして、療養のために休業している期間及びその後30日間は解雇することができません。

 ②女性労働者が産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、産後8週間休業している期間及びその後30日間は解雇することができません。

【解雇の手続き】

 使用者は、労働者を解雇しようとするときは、少なくとも30日前にその予告をしなければなりません。また、解雇予告をしないで即時に解雇しようとする場合は、解雇と同時に、平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支払わなければなりません。解雇しようとする日までに日数的に余裕がないときは、この併用も可能です。

 また、解雇を予告した日から解雇日までの間に、労働者から解雇の理由について証明書を要求されたら、これに応じなければなりません。

【まとめ】

 ①解雇の対象となる場合をあらかじめ労働契約や就業規則で明確にしておくこと。

 ②解雇予告や解雇予告手当の支払いなど適正な手続きをとること。 

過重労働による健康障害、メンタルヘルス対策

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