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懲戒処分をめぐるトラブルの回避法   ( 2011.12.12 )

 懲戒とは職場の秩序を保つために、使用者が労働者の服務規律違反などに対して課す罰を云いますが、懲戒を行うためには、労働契約上その根拠が必要です。

 常時10人以上の労働者を使用する事業場では就業規則の作成が義務付けられていますので、懲戒を定めた場合には、その種類や程度、どのような場合に懲戒処分の対象になるかという懲戒事由を就業規則に記載しておくことが必要です。

 懲戒処分の種類については、一般的には、訓戒、減給、出勤停止、降格、懲戒解雇などがありますが、このうち「減給」は労働基準法(第91条)に制限規定があり、1回の事案に対する減給額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、また、複数の事案がある場合にも、総額が1賃金支払い期における賃金総額の10分の1を超えてはなりません。

 また懲戒の内容や程度についても、例えば「訓戒」であれば「始末書を提出させ、将来を戒める」、「出勤停止」であれば「7日以内」など、具体的に定めておくことが求められます。

 懲戒事由についても、就業規則に定めておくことが必要です。その理由を1つ1つ具体的に示すことが望ましいのですが、実務的には、対象となる行為すべてを具体的に示しておくことは無理なので、処分の対象とするべき典型的な違反行為として、具体的なものをいくつか示したうえで、「その他服務規律に違反したとき」「前各号に準ずる行為があったとき」などと、包括的に定めておくとよいでしょう。

 懲戒処分を行う場合には、処分の対象となる事由と処分の内容とが、つり合いのとれたものでなければならないとされています。

 労働契約法第15条では、「懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は無効とする。」と定められていて、使用者が懲戒を行う権利に歯止めをかけています。

 労働審判や裁判などになった場合は、違反行為と処分の内容のバランスだけではなく、弁明の機会を与えたかどうか、過去にも同様な事案があった場合には、それと比較しても相当性があるかどうかなどが考慮されることもあります。

 懲戒をめぐるトラブルにならないようにするためには、あらかじめ懲戒に関して定めておくことも必要ですが、懲戒を行う場合には、相当だと認められる処分となるように慎重に進めることも大切となります。

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